マルクスの『資本論』は結論のない予言。うんこ漏らしたので、大人しく読書してみた

スポンサーリンク

晴耕雨読、とは
よく言ったもので、
こうも雨が続くと体調は崩れ
外に出ようにも
気力が湧かなくなります。

昨日あたりから
またまたまた
お腹を下し始め、
今日はついに
おならをしたタイミングで
ちょっと漏らしてしまいました。

窓の外はザーザー降りだし
身体は鉛のように重いし
うんこは漏れるし。

こんな日は
本でも読んで
大人しくしているに限ります。

マルクスの『資本論』で、お金に関する固定概念が崩れた

鉛といえば、金属。
こじつけのようですが
最近 お金に興味があります

これまで 経済学には
「け」の字も触れたことが無いから、
何から読もうか
考えあぐねていたら、
旧友が ちょうど良いタイミングで
マルクスの
『資本論』を勧めてくれました。

少し調べたら
挫折することが目に見えたので、
今回は入門編として
池上彰
『高校生からわかる「資本論」』
を拝読しました。

結論から申し上げると、
世の中への
固定概念をボロボロと崩してくれる
良著
でした。

中でも勉強になったのは

  1. 社会主義は、マルクス・レーニン主義だけを指す言葉ではない。
  2. 労働者を守ろうと労働時間を制限する法律が整備されると、結果として労働の密度が上がり 労働者はくたくたに。
  3. 『資本論』において労働者とは、商品を作り出して提供することができず、自身の労働力しか社会に提供することのできない人のことをいう。

の3点です。

『資本論』の入門書として強くおすすめできる1冊

本書は 元NHK記者、
わかりやすい
ニュースの解説でおなじみの
池上彰さんが、
2009年
集英社から出版なさった本です。

当時、国内では
企業の派遣切りが社会問題化。

原文となる
マルクス『資本論』
1867年に第一部が刊行されていますが、
約140年前の書物であるにも関わらず
2009年当時の情勢を
次々と言い当てていた
ことから
ブームが起こっていたようです。

池上さんも
本書にて解説なさっていますが、
原文には
聖書や神話に基づいた
文学的でわかりにくい表現が
随所に見られるため、
現代語訳であっても
読解には
かなりの労力を要します。

特にこだわりがなければ、
本書などの入門書から読み進め、
現代語訳に触れることをおすすめします

①社会主義は、マルクス・レーニン主義だけを指す言葉ではない。

資本主義国家に対する
社会主義国家には
旧ソビエト連邦東ドイツ
北朝鮮などのイメージがあり、
各国のイメージこそが
「社会主義」なのだ
と捉えていました。

しかし
本書によれば、
それは誤りだったようです。

本来
マルクスが唱えた社会主義とは、
資本主義が発展しすぎた結果
労働者が革命を起こして生じる
もの。

しかし当時
社会主義を名乗った各国では
資本主義が成長しきる前に
社会主義に転じてしまった

当時の
マルクス・レーニン主義は
社会主義のあり方の
1つの形に過ぎず、
本来は
いろんな形があって良い
思想
なのでした。

このことにだけでも
かなり驚かされました。

②労働者を守ろうと労働時間を制限する法律が整備されると、結果として労働の密度が上がり労働者はくたくたに。

まず、1867年当時にして
労働時間の考え方が新鮮でした。

人を労働力として考えたときに、
一定の
パフォーマンスを保つためには
労働する時間のほかに
回復させる時間が
必要だと明言
していたのです。

まあ、当たり前ですよね。
24時間、365日間
働き続けることはできませんから。

一方で、しばらくすると
この休憩時間を考慮せず
労働者をモノとして扱うような
資本家が出てきてしまう。

このとき、
労働力を時間だと捉えて
勤務時間のみを短くするような
規制をしいてしまう
と、
どうなると思います?

短くなった労働時間内に
これまでと
同等のパフォーマンスをするよう
資本家から求められた労働者は、
短い時間内で
労働の密度を上げて働くようになり
結局 くたくたになってしまう

ということなんです。

これ、
近年叫ばれている
働き方改革の問題点と重なりませんか?

単純労働の多かった時代は
和気あいあいと
ある程度ゆるく
労働することも許された。

でも、機械化が進んで
効率化が進めば進むほど
労働の密度は上がってしまう
んですね。

時間だけ短くしたのでは
働き方改革にはならない

というのが
構造としてよくわかりました。

③『資本論』において労働者とは、商品を作り出して提供することができず、自身の労働力しか市場に提供できない人のことをいう。

もしこの労働者が、自分で商品をつくって誰かに売ることができていれば、この労働市場には現れないわけだ。(中略)自分で商品をつくって売るということができれば、その人は自営業だから、そういうことができない人、どこかに勤めて働くしかない人、そういう人だけがここに出てくるんだよ、ということ

池上彰『高校生からわかる「資本論」』集英社(2009年)

この文章を読んだとき、
最近ぐるぐると考えていたことが
すとん、と腑に落ちました。

なるほどな。

このことに
社会が気づき始めたから、
サラリーマンから
フリーランスに転向する人が
目立ってきた
んですね。

やはり
自分で物を生み出せる人材は、強い。

長い歴史の中で考えたら、
資本家のもとで働く
労働者という仕事は
かなり
歴史の浅い存在
であることがわかり、
働き方そのものを
俯瞰して見られるようになりました

まとめ

「高校生からわかる」とあるように、
本書は
池上さん易しい解説のおかげで
『資本論』のエッセンスを
すっきりと
理解することができます。

今回
2日間ほどで読了できましたが、
原文だったら
こうはいきませんでした。

この本が出版された
2009年当時よりも
マルクスの指摘は
現実味を帯びてきており、
今まさに読むべき本だと感じます

しかしながら、
池上さんもおっしゃっていますが
マルクス
「こうすべき」だという結論は述べずに
この世を去ってしまいました

本作にも、
問題提起こそあれ
結論は書かれていません。

つまり、
現在の経済不安に対する打開策は
自分で考えていくしかない
のです。

ここに
読み終えて
大きな不安が残ります

本書を通して、
経済学は
今後も学んでいきたい
分野の1つになりました

現在の働き方や
経済への視点に疑問を持つ方

私のように
経済学を
全く勉強したことのない方
にも
おすすめします〜!

スポンサーリンク

マルクスの『資本論』は結論のない予言。うんこ漏らしたので、大人しく読書してみた” に対して1件のコメントがあります。

コメントは受け付けていません。