新作のポケモンみたいにワクワクできる何かを、「わからないもの」の中から見つけたい
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7月12日(金)、
ゲーム・
ポケットモンスターの
最新作となる
ソード版・シールド版の
先行予約が
開始されました。
今回この
公式のPR映像を
たまたま
目にする機会があったのですが、
思わず ぐっと
惹きつけられてしまいました。
うおおおおおお…!!!
懐かしい世界観や
バトルの臨場感には、
大人になった今でも
息を飲むものがあります。
でも、なんで
こんなにワクワクするんだろう。
きっとそれは、
わかりやすいからです。
心動かされたのは、綺麗な街並みとバトルシーン
PR動画を観ていて
特に 胸が高鳴ったのは
①見たことのない、新たな街並み
②懐かしのバトルシーン
の2つの場面でした。
まず①の
綺麗な街並みの
グラフィックが流れると、
「この
ゲームのフィールドは
どんな風に広がっているのだろう…」
「冒険中に
どんなキャラクターと
出会うのだろう…」と
いろんな
想像力を掻き立てられて、
鼓動が早くなるのがわかります。
また、
②のバトルシーンでは
過去にプレイしたときの経験が
思い起こされ、
うっすらと手に汗握ります。
振り返ってみると、
あのころ
ゲームの対戦で味わった
緊張感と高揚感は、
今のところ
ほかのものでは
味わえていません。
ゲームでの体験は、リアルな思い出となり得る
漫画しかり、
ゲームしかり、
エンターテインメントは
この世界を
再編集・再構築して
作り上げた娯楽。
現実世界で体感するよりも、
液晶画面に
映し出されるものの方が
わかりやすく
ワクワクできます。
景色、
音、
人の流れ。
現実の世界は
情報量が多すぎて、
かえって
感動的なシーンを
見過ごしてしまうことも
多いですが、
ゲームを通して物語を追えば、
注目するべきポイントが
わかりやすいだけでなく
自分の体験として
記憶に残るので
より
リアルな思い出となって
大人になっても
自分の中で生き続けています。
わからないから、追い求める
先日、
プロ無職・るってぃさんの
こちらの
ブログ記事を拝見しました。
自分はいま、世の中の「分かりやすさ」を求める風潮に違和感を感じます。
https://rutty07.com/entry/abstract/
「分かりやすさ」に頼りすぎるがゆえに具体的なことしか物事を捉えられない人は本質を見極められず、短期的思考になります。これはとても危険なことです。
https://rutty07.com/entry/abstract/
この違和感、
実は私も
ずっと感じていたことのようで、
今回 るってぃさんが
文字化してくださったことで
初めて
認識することができました。
私は大学時代に
日本文学を先行していたのですが、
当時 現役のお坊さんで
中世和歌を研究なさっていた
とある先生のお言葉が、
今でも印象に残っています。
「今 書店に並んでいる
自己啓発本に
書いてあることの多くは、
2000年以上前に
お釈迦様が
おっしゃっているんだよ」
古事記、
日本書紀、
万葉集。
1000年以上も前に書かれた
よくわからない作品たちを
研究しながら
泣きたくなっていた
19歳のときでした。
視界が
サーッと開けた気がしたんです。
どうして、
大の大人が
何百年も同じ作品を
研究し続けるのか。
それは、わからないからです。
書かれた当時の
文化的な背景をいくら調べてみても、
当時 作者が考えていたことは
神のみぞ知る世界。
でも
研究を続けていると
不意に すとん、と
腑に落ちる瞬間があるから、
少しだけ人生が豊かになる
そのわずかな瞬間を目指して、
文学研究者は 日夜
作品と対峙しているように
感じました。
何百年経っても、
人は同じことで悩み続けます。
そのとき、
対処療法的に
わかりやすい解決策をあてがうのか、
それとも
抽象的でわかりにくい何かを
わかろうと努力し
自分なりの解決策を見出すのかで、
数十年後に見える世界の豊かさは
きっと変わってくるはずです。
私たちは、わかりにくいものへ順応できなくなっているのかもしれない
また、
よくわからないものを
理解しようとする
根気そのものが
なくなってしまうと、
自分とは
異質だと感じてしまった
他者への理解も
難しくなってきます。
多様性を叫んで
「それ、いいじゃん」
という言葉で
まとめようとするけれど、
わかろうとすることって
本当はもっと
泥臭くて、地味で、きつい営み。
最近読んだ
みうらじゅんさんの
本のせいかもしれないですが、
一見
わかりにくいものから
価値を見出して
熱中できる人って
強いし、かっこいいです。
まとめ
ポケモンに
なぜ心が動いたのか。
それは きっと、
わかりやすくて
想像しやすいから。
じゃあ、
想像しにくいもの
先の見えないものは
どうやって楽しみましょうか。
攻略本の無い世界は
ときに
とても怖いけれど、
それを
楽しもうとする気持ちさえあれば
きっと ポケモンみたいに
ワクワクできるはず。
わかりにくいものは
けっして あちらから
振り向いてはくれません。
子どもみたいに
何かに熱中している大人は
やっぱり かっこいいから、
ポケモンみたいに
心動かされるものを
これからも
見つけていきたいです。