【シェアハウス生活】鍼灸師の父がやって来て 「家族」と「ファミリー」が初対面
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私が
小学6年生になった春、
41歳だった父は
専門学生になった。
「鍼灸(しんきゅう)」
なんて言われても
よくわからない。
ちゃんと理解できたのは
3年間 家族が
遠く離れて住むことだけだった。
夏休みの
家のお手伝いが
「モグサでお灸作り」だったのは
当然 私だけである。
(父の実習用)
今日は 鍼灸師として働く父が
IKIへ まさしさんの
施術をしに来てくれた話。
※私の住んでいる
シェアハウスのIKI(いき)については
過去の記事をご覧ください。
木材の運搬で腰を痛めた まさしさん
この日、市原ご夫妻は
岡城名木さんにて
IKIリノベーション用の木材を購入。
その運搬中に
IKIの力持ち まさしさんが
腰を痛めた。
「痛い…。
なんか いや〜な感じがする…」
普段 あまり弱音を吐かない
まさしさん。
それなのに
帰ってきてからは
「痛い」が口癖となって
しまっていて、
途中から
リビングで横になっていた。
思い起こせば
IKIでの生活を
始めてからというもの、
まさしさんの
優しさと腕力には
幾度となく助けられてきた。
定期的な湧水汲み、
家具の移動、
度重なる 子どもたちの抱っこ…
まさしさんの腰には
これまでの疲労が
溜まっていたのかもしれない。
「これ きっとアカンやつや…」
とっさに
IKIで暮らし始めてから初めて
鍼灸師の父に電話をかけた。
「今から行っちゃろうか?」21時30分に父の訪問 決定
家に帰ったばかりらしく
父はすぐに電話に出てくれた。
「お世話になっている方が
腰を痛めたので、
自分たちでできるケアを
教えてほしい」と
電話越しに
レクチャーを受けていたのだけど、
いきなり父が
「今から 鍼(はり)しに
行っちゃろうか?」
と言い出した。
この時点で21時30分。
いったん電話を切って
まさしさんに確認すると、
しほさんの方から
「せっかくだから
お願いしようよ〜」
と言っていただき、
父を召喚することになった。
初対面で半ケツ状態に
電話から
約15分後に父が到着すると、
挨拶もほどほどに
施術が始まる。
まず 両腕の脈を診て、
どこが不調なのかを調べていく。
「怖い…」
初めての鍼を前に
緊張を隠せない まさしさん。
「怖いですよね。
ちょっと触ってみますか?
髪の毛よりも細いんですよ」
と おもむろに鍼を手渡す父。
「細い〜!」
「見えない〜!」
と興味津々な市原ご夫妻に
「『ハリ』って名前が
そもそも 良くないですよね。
縫い針とか釣り針とか、
刺さると痛いのを想像しますもん。
例えば『ポリ』とか
そんな軽い感じでいいのに」
なんて
くだらない冗談を言いながら
徐々に緊張を解いていく。
また 父には
お茶の専門店で
接客をしていた経験があり
(両親はここで出会って結婚)、
普段から IKIで
「日本茶に詳しくなりたい!」
と意気込む しほさんに
産地ごとの
製法や味の違いを
得意げに説明していた。
(若くてキレイな奥さん相手に
いいとこ見せようとしているのが
非常に伝わってくるぞ、父。)
さて
当然かもしれないが
父の仕事現場を見ることは
ほぼない。
家族に対しての鍼灸の施術は
「はい 寝て」
「はい 脱いで」
と かなり荒いし、説明は少ない。
「肝臓が弱ってますね。
スマホとか よく見ていませんか?
目の酷使が見受けられて…」
なんて、
プロとして真摯に施術する父の姿は、
正直 ちょっとだけ、
かっこよかった。
ちなみに このあと
腰の施術に入ると、
まさしさんは 半ケツ状態に。
(期待の高まる みなさんには
大変心苦しいけど、
さすがに サービスショットの撮影は
できませんでした…
チキンですみません…)
鍼のほか
お灸、電気鍼 (鍼に電気を流す)と
かなり丁寧に施術してくれた。
「家族」に「ファミリー」と会ってもらって
もともと 父とは
顔を合わせれば喧嘩する仲なので
お互いに
あまり 多くは語らない。
この日も
「ありがとうね」「おう」
といった短い会話で
玄関から見送った。
学校行事にさえ
ほとんど来てくれなかった父だけど
今回 夜遅くにも関わらず
わざわざ
IKIのみなさんに
会いに来てくれたことで、
ここを 娘の居場所として
認めてくれていることが感じられて
とても嬉しかった。
いつも
心配かけてごめんね。
とか ここに書いてみる。
「家族」と「ファミリー」との対面。
なんか
めっちゃ 変な緊張したけど
すごく贅沢な時間でした。
ところで、
身ひとつで仕事できるなんて
父、ノマドワーカーやんか。
しかも
職人技だなんて
父ちゃん かっけー!
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